歴史上謎の多い人物3選
謎の多い人物と聞いて、誰を想像するでしょうか?
正体不明の芸術家であるバンクシ―。
ビットコインの生みの親サトシ=ナカモト。
現在でも正体不明な謎の有名人が多くいるもので、
歴史をさかのぼれば資料が減る分そういう人が増えていきますよね。
そんな中でも特に有名で、謎の人物を3名紹介します。
1. 伝説の殺し屋ジャックザリッパー(切り裂きジャック)
おそらく世界でもっとも有名なシリアルキラー。
19世紀イギリス、首都ロンドンに出没した殺人鬼で
約2ヶ月の間に売春婦を5人を殺害しました。
犯行の手口は共通していて、メスのような鋭い刃物で喉元を一閃。
腹部を切って内蔵の一部を持ち去ったそうです。
うーん・・・猟奇的・・・
このジャックザリッパーという名前は、
新聞社に送られた犯人を名乗る人物が書いた手紙に記されていた名前で
これを大々的に報じたことで広まりました。
ただこの手紙、本当に犯人の手記かが不明で、
捏造の可能性も高いようです。
ロンドン市警の威信をかけて捜査を行われたものの
犯人特定につながることはありませんでした。
犯人として疑われたのは凶器や医学的知識に基づいた解剖術から
医師が真っ先に疑われました。
また他にも、馬や牛などの屠殺業者。
学のある大学教授、上級の貴族に至るまで
百名に及ぶ容疑者リストがロンドン市警により作られました。
また、5件中2件目と3件目の犯行現場付近では
ユダヤ人差別を非難する書き込みが見つかったことから
ユダヤ人犯人説も生まれました。
しかしながら確実な証拠が見つからなかったのも事実。
懸命な捜査にもかかわらず迷宮入り。
一説には別件で逮捕された容疑者の中にいたという説も持ち上がっているものの、
100年以上たった今では・・・
2.奇異な囚人鉄仮面の男
1703年フランス。バスティーユ監獄という牢獄に収監された1人の囚人が亡くなった。
通称『鉄仮面の男』
1669年、時の国王ルイ14世直下の大臣より、ピネローロ監獄の監獄長、
サン=マルスに預けられたという記録が、この男最初の記述。
この男の待遇はまさに異常とも言うべきもので、
監獄長自らが囚人の世話をしたといいます。
現在以上に囚人の扱いが酷い中世においてこの状況ですから
いかにこの男が重要な人物だったかがうかがい知れます。
サン=マルスはよほど信頼されていたのか、
彼がサント=マルグリット島へ転任した時も、仮面の男も一緒に移送された。
そして1698年、最後の住みかとなるバスティーユ監獄へ移送され、
5年後に死亡した。
彼が鉄仮面と呼ばれている所以は、その姿にあって、
人と会う際、彼は常に布のベールを顔に巻き付けその正体を隠されていました。
鉄仮面というと・・・
こういう金属製の仮面を思い描くものですが、
実際には鉄で布で顔を隠していたのですが、表示のインパクトから
『鉄仮面』と呼ばれるようになったようです。
人前では常にベールに覆われていた彼には、接見の際もし本人が外そうとしたら
その場で殺害するように指示が出ていたようで
本人もそれを知っていたようです。
接見に来た相手は、陸軍の大臣、軍司令官などの軍の高官。
そして有力な貴族など、身分の高い人物が多かったようです。
恭しくかしずく身分の高い接見者と何を語ったかは記録に残されていません。
衣食に関しては優遇されていて、囚人服ではなく綺麗な服に身をまとい
ギターや読書をたしなんでいたようです。
そうした34年間の監獄生活も終わり
医師の死亡診断の際も事前に顔を隠され、監獄の死亡台帳にも
『マルシュワリー』という偽名で記録され、
彼の所有物は全て破壊され燃やされたそうです。
こうして歴史の闇に消えた1人の男・・・
この男の正体は誰だったのでしょうか?
かつて有力視されていたのは、ルイ14世の双子。
政治権力争いに利用されることを恐れたルイ14世、並び
その周辺の大臣により幽閉されたという説。
確かに、王族関係者であればこの特例ともいえる待遇には納得できます。
ただこの説にも、異論やつじつまの合わない部分も数多くあるようです。
3.不老不死の男 サン=ジェルマン伯爵
この方、上二人と違い出生や親などが解っている人物。
1691年生まれで、メルガル伯爵とスペイン王妃
マリー=アンヌ=ド=ヌーブルとの私生児と言われています。
一流の画家でもありました。
完全無欠な知識人として育った彼が歴史の表舞台に立つのは
1746年ロンドン。
ヴァイオリニストとしてロンドンに在住。
その後ロンドンを去り1758年パリに移住。
そこでサンジェルマン伯爵はマリニー侯爵に対して
研究室、作業場所として王族所有施設の使用許可を申請。
この際彼が時の国王ルイ15世に出した交換条件は
『人類が知る中でもっとも豊かで希有な発見を約束する』というもの。
研究施設として、当時無人だったシャンボール場を彼に宛がい
彼はその城に自身の助手や使用人を住まわせ、何かの研究を行っていた。
こういう経歴の人。
シャンボールよりパリにいることの多かった彼は、
ルイ15世と面識を得て、彼の博識で聡明な人柄により親交を深めることになります。
さて、ここまでだと普通の貴族っぽい感じがしますが
この人いったい何が謎なのか・・・?
実はこの人不老不死疑惑があったりします。
う、胡散臭い( ^ω^)・・・
それではいくつか彼の不老不死伝説を見ていきましょう。
1. 実年齢と見た目がかけ離れすぎていたこと。
65を超えていたはずにもかかわらず、見た目は高く見積もっても40代前後。
2. 食事は丸薬とパンのみ
食事会やパーティーの際、伯爵はその場に出ていた料理に一切手を付けず
手持ちの丸薬を飲んだだけだったそう。
錬金術に精通した伯爵が作り出した不死の霊薬と呼ばれた。
3. 語学に堪能。
ヨーロッパ諸国の言語はさることながら、アラビア語、中国語に至るまで
12ヵ国の言語を操った。
4. プロイセン王国国王フリードリヒ2世。
哲学者ヴォルテールからフリードリヒ2世への書簡には
『サンジェルマンは死ぬことができず、何でも知っている人物』と称し
フリードリヒ2世の手記にも、『死ぬことのできない人間』と記録している。
5. 使用人も謎
2000年を生きると語ったサンジェルマン伯爵の言葉に疑問を思った貴族は
彼の使用人にその真意を聞いてみた。
『私はたった300年ほどしか伯爵にお使いしておりません。
なのでそれが事実かは私にはわかりかねます。』
と、答えられた。
6. 作曲家フィリップ=ラモーの話。
「何度かサンジェルマンに会ったことがあるが、彼は何十年たっても
見た目が変わらない。彼の存在は神秘としか言いようがない。」
7. 過去のことをまるで見ていたように語る。
ソロモン王やシバの女王。イエス=キリストと面識があったと語り
その人物の人物像を口滑らかに語って見せた。
8. 未来の技術を予見して見せた。
飛行機や自動車などの存在を予見し、その必要性を語ったといわれる。
上げるとキリがないくらいの逸話、伝説がありますが今回はこのくらいで。
今回は特に有名な3名を取り上げてみました。
歴史上にはまだまだ正体不明な人物はいるもので
また紹介できればと思います。